我が家の息子、高校に通ってはいるものの成績不振で毎期妻が呼び出されております。こんな状況を打破するためにも、色々な勉強方法を取り入れて息子を奮起させようと試みているのですが、本人の興味は金髪やブルネットのお姉さんにしか向いていません。

一方、もう1人の中学生の息子は成績優秀者で生徒会にも参加している優等生です。
何をするにしても理由を見つけながら進める堅物ですが、大きな問題も起こさず手のかからない良い子です。

妻が兄の部屋を掃除に入ると、海外のポルノ雑誌が山となっているのを私に何度も相談してきており、その度息子と男談義からの自重を持ちかけるという状況です。

高校は進学校でもないので、卒業まであと少し通ってさえいればとりあえず押し出しで高卒の資格は与えてくれるというのですが、それにしても何も学ばず言うことだけは一丁前になり、親のスネをかじり放題という体たらくに、正直父親としても情けない限りでして。

ですが、先日参加したセミナーでこんなことを言っていたんです。

「マイナスをプラスにするには、マイナスにマイナスを掛け合わせるのではなく、マイナスをそのままプラスとして受け入れれば良い」

この言葉の素晴らしさに気づいていただけますか?
数学的な考えを捨てて、今を受け入れろってことです。
そして、マイナスと思える部分を受け入れることでプラスの部分として使えるように考え方を変えろと言う教えです。

我が家では、息子の海外ポルノ好きという一見恥にも思える部分をマイナスと捉え、このマイナスをプラスに転じるにはどうすれば良いかを考えました。

海外の女性が好き→言葉が通じない→通じるためには?→語学習得!

そう、語学習得です!
動機なんてなんでもいいじゃないですか。
女の子と仲良くなりたい一心で英会話習得。
しっかり習得できれば文句なしです!

兄が乗り気になったスマホホームステイ

高校生の息子に英会話習得の話を持ちかけてみました。

「海外ポルノばかりみている様だが、外国の女性がタイプなのか?」
『そうだねぇ、日本人にはない魅力が溢れてるからねぇ。』
「では、そんな女性たちと付き合うにはどうすれば良いと思う?」
『そりゃ声かけるしかないんじゃない?』
「お前は英語ができるのか?」
『できるわけないじゃんw』
「じゃあいつまでも紙に印刷されてたり動画でしかそんな女性を手にできないままだな。」

少しムッとした息子が私に向かって声を荒げそうになったところ、妻がベストなタイミングで横から話を遮ってくれました。

「ねぇ!この英語教材ならあなたにも英語が話せる様になるんじゃない?」
『スマホホームステイ?』

  • たった2ヶ月で英会話をマスターできる
  • 勉強時間は1日たったの30分だけ

私としてはこんな胡散臭い教材を持ってくるんじゃない!とハネつけてしまいたかったのですが、思いのほか息子が食いつきました。

『2ヶ月…毎日続けるのもたった30分なら通学の電車の中だけでもいけるか…それで英会話マスターできるなら…』
「…やってみるか?」

爛々とした息子の目を見て、これを切り捨てるわけにはいかないと決断したのは言うまでもありません。
勉強嫌いの息子が興味を持った英語教材。

これで本当に英語ができる様になってくれれば、それこそ儲けものです!

スマホホームステイのセットが届いた

スマホホームステイを申し込んでから数日、荷物が1つ届きまして、中にはVRゴーグルが入っていました。

『お〜これがEVAってやつか!』
「兄ちゃん、EVRね。」

弟も兄の珍しいやる気に満ちた行動に興味を持ってくれたようで、スマホホームステイについて少し調べてくれた様です。
早速ゴーグルをつけ、色々といじっていたので安心していましたが、ものの数十分後に衝撃の光景が広がりました。

兄、逃走しました。

少し目を離した隙にいなくなってしまったのです。
その場にいた弟に話を聞いたところ「無理って言って遊びに行った。」と言うのです。
まだクーリングオフも利くから良いかと返品を考えていたところ、弟が「俺使うわ。」と言って持っていってしまったので、まぁこれはこれで良いかとしばらく放置していました。

兄の状況は一向に変わることなく、相変わらずのポルノ雑誌に頭を悩ませる私たち夫婦。
そして、いつものように我関せずといった感じの弟が珍しく私に話しかけてきました。

「父さん、今度の休みに友達を連れてきたいんだけどいいかな?」

こんなこと言われたのは初めてですし、連れてきたらいけないなんていったこともありませんでした。

「日本人じゃないんだけど。」

なんと外国人の友人を家に招きたいという驚きの提案に、私も妻もなんと返していいか分からずにいました。

「この前のスマホホームステイ、あれがすごく良い教材だったんだよ。大体1ヶ月ぐらい使ってるけど、もう日常会話だったら全然困らないし、日本にいる外国人サークルの中でも溶け込める会話力がついたんだ。その中で仲良くなった子がいて、今度その子を紹介しようと思うんだよね。」

否定する気は全くありませんでしたし、私はこの提案を快諾しました。
そう、この時私の中では、我が家を訪れる友人は【男】だと思い込んでいたんです。

スマホホームステイのおかげで作れた彼女は外国人

次の休みに宣言通り、弟は友人を我が家に招くために迎えに出て行きました。
わざわざ宣言して行くぐらいですから、日本文化をその友人に見せてやりたんだろうという妙な解釈をしていたのは私だけではなく、妻も同じような考えをもってこの日を迎えていました。
今思えば、今時「これぞ日本の伝統」みたいなものを一般家庭に望む外国の方もそういないですよね。
よほど動転していたんでしょう。

迎えから戻った弟が私たちの前に連れてきたのは、なんと目にも鮮やかな褐色の肌とブルネットの髪、そして豊満な肢体を併せ持ったお嬢さんじゃありませんか!?

「これ、僕の彼女ね。よろしく。」

流暢な英語で彼女に私たちのことを紹介し、彼女も辿々しいながらも日本語で挨拶してくれました。
正直、この時に彼女からされた挨拶はすでに耳に入っていませんでした。

そして、私たち夫婦が最も驚いたのは、弟が兄に対して彼女を紹介しにいったという行動です。

「兄ちゃん、これ俺の彼女。ちょくちょく遊びにくると思うからよろしくね。」
『…え?』

そう、兄よ。
その反応が私たち夫婦と全く同じ反応だよ。
多分私は大人として何か対応していたと思うし、妻も驚きながらも対応していたと思う。
だが、その反面何一つ覚えていないという現実もあって、何が何だか分からずにいたんです。

軽く紹介が終わり、弟は彼女とともに外出してしまいましたが、慌てて居間に現れたのは兄の方です。

『…さっきのって、何??』

私はことの経緯を兄に教えてやりました。
事前に今日友人を連れてきたいと言われていたこと。
外国人サークルで仲良くなった子がいると言われていたこと。
それがまさかの彼女だったということ。
そして、彼女と仲良くなれたのがスマホホームステイのおかげだということ。

『…父さん、俺もスマホホームステイ、やってみるよ。』

兄が…息子が本気でやる気になってくれた瞬間でした。

兄のスマホホームステイが好調です

弟がほんの1ヶ月で英語を習得して、まさか彼女まで作って我々に紹介するなんて思ってもいませんでした。
しかし、これが現実であり、兄が奮い立つ原動力になってくれたことに、私としては十分に効果が得られたと実感しています。

衝撃の1日から、兄の方も弟からスマホホームステイの使い方を教わり、毎日スマホホームステイ漬けの毎日を送っています。
しかし、勉強嫌いが祟っていて中学で学ぶ基礎英語が理解しきれていない兄には、目に見えた成果が得られていませんでした。
かなり苛立ちを覚えている兄を見かねて、弟が助け舟を出していました。

「兄ちゃん、AIスピーカーとかEVRのなかで言ってる意味がわからないんだろ?」
『全然わかんねぇ。』
「だったら、意味はわからなくても聞いたことをそのまま音で伝えることはできるよね?」
『それはできてる。AIスピーカーの掛け合いは問題なくできてるから。』
「じゃあ、意味がわからなかった音を翻訳機で調べれば良いんだよ。それだけで兄ちゃん今よりもちゃんと喋れるはずだよ。」

音は聞こえていて発音も問題なくできているのに、言葉の意味がわからずに前に進めない。
これは赤ん坊が言葉を覚えていく流れと全く同じ様に感じます。

意味なんて初めから分かるものじゃありません。
その音が持つ意味を知ることで初めて言葉として意味を持ちます。
この歳になって、息子が大きく成長する姿を見られるとは思いませんでした。
しかも、普段なら偉そうにしている兄が弟から教えを受けて、それを素直に受け入れている姿が見られたという喜び。
これは家庭を持って初めての感覚です。

弟からの教えの通り翻訳機を使いこなすことで、兄の英会話力はみるみる伸びていくのが私たちにもわかりました。
EVRでいろいろな英会話を駆使しながらやりとりを成功させている姿も、私にはとても新鮮で嬉しい変化でしたし、部屋にこもってハッピーリサイタルを楽しんでいる声は居間にいてもまる聞こえなほど大きな声で英語を話す息子に胸が高鳴っていました。

近所の方からも「最近英語で話してるの?」なんて聞かれると妻も言っており、我が家が今英才教育に乗り出しているなんて話題になっているそうです。

スマホホームステイで英語を習得した弟からの提案

少し前から、弟の方から私に対してある提案が寄せられています。

「本当ならホームステイに行きたいんだけど、英会話は彼女と毎日できるから必要ないし、そこで必要だったはずの費用を俺に投資して欲しい。」

程の良いお小遣いの催促だと思っていました。
彼女と付き合う様になってから弟の方から何度もこの提案を受けており、きっとデート費用もバカにならないし少しまとまった金額が欲しいって思っていたのだろうと、私は勝手に思っていました。

そして、今日もまた同じ提案をもってきました。
しかし、いつもとは様子が違う様です。

「これまでも何度もお願いをしているんだけど、本来ホームステイに使うはずだった資金を俺に投資して欲しい。約25万円予定してくれていたはず。それで、パソコン関係を揃えさせて欲しい。日本の中学生が英語で動画配信をするって新しいビジネスを始めさせて欲しい。」

そう、弟が何度も私に持ちかけていたのは決してお小遣いの催促ではなく、自分で考えたビジネスを始めるための初期資金の【投資】だったんです。
確かにお小遣いが欲しいなんて一言も言われていませんでした。

「日本の漫画が海外で人気が高いのに翻訳が間に合っていなかったり、絵本の読み聞かせもあまり英語での配信ってない。俺は、本と英語と動画を使って、動画配信者として活動していきたいんだ。これができるのは、兄ちゃんがスマホホームステイを諦めてくれたおかげだし、スマホホームステイを用意してくれた父さんのおかげでもある。」

弟の熱弁が続き、私としてはこの子が困らないなら受け入れても良いと考えました。
そして、後ろ盾として私が保護者としてしっかりとサポートし、しっかりと収入が得られるようになるまで見守ってやろうという気持ちになっていました。

妻も、弟がとても大きな夢を語っている姿に感動し、1人台所で啜り泣いているのが聞こえます。

【スマホホームステイが弟に大きな夢を与えてくれた。】
私はこう思っています。

スマホホームステイが我が子たちにもたらした大きなビジョン

弟は中学生ながら自分のビジネスを見つけ出し、私というバックアップをもって毎日英語で色々と撮影している様です。
彼女もほぼ毎日入り浸り、家族同士で会食したりもする様になりました。

しかし、ここで兄の方にさらに大きな問題が発生したんです。

『俺、アメリカに行きたい。』

日曜の朝に起きてきて、開口一番挨拶もなくいきなり告げられた兄の希望。
飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになりながらも、兄の思いを聞きました。

『俺は外国人の彼女が欲しくてスマホホームステイを頑張った。でも、日本にいる子は結構日本語を喋れるってことに最近気付いたんだ。せっかく英会話ができる様になったのに、わざわざ日本で英語を話すのも馬鹿らしいから、向こうで彼女を探したい!』

…確かに私と最初に話して英語を覚えるきっかけになったのは女性との付き合いのため。
私がここでその気持ちを否定するのは間違っているような気もするのですが…。

「じゃあいってらっしゃい!」

頭越しに言い放ったのは妻。
これはもう私に決定権はありそうにありません。

「そうだな、いっておいで。でも先に高校だけは卒業してくれよ?」

スマホホームステイが我が家の息子たちに大きなビジョンを与えてくれました。
英会話ができるというだけで、どんな日本人でも世界に羽ばたくチャンスを掴めるのだと教えてくれました。